■ 中国古典日本语版


CREATED: 2006/08/30
REVISED: 2007/01/28


燕雀安知鸿鹄之志哉。(司马迁)

燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや。

えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや。

上善如水。(老子)

上善は水の如し。

じょうぜんはみずのごとし。

知人者智,自知者明。(老子)

人を知る者は智なり、自ら知る者は明なり。

ひとをしるものはちなり、みずからしるものはめいなり。

柔弱胜刚强。(老子)

柔弱は剛強に勝つ。

じゅうじゃくはごうきょうにかつ。

大辩如讷。(老子)

大弁は訥なるが如し。

たいべんはとつなるがごとし。

治大国若烹小鲜。(老子)

大国を治むるは小鮮を烹るが若し

たいこくをおさむるはしょうせんをにるがごとし。

报怨以德。(老子)

怨みに報いるに徳を以ってす。

うらみにむくいるにとくをもってす。

善用人者为之下。(老子)

善く人を用うる者はこれが下となる。

よくひとをもちうるものはこれがしもとなる。

人皆知有用之用,而莫知无用之用也。(庄子)

人みな有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり。

ひとみなゆうようのようをしりて、むようのようをしるなきなり。

蜗牛角上之争。(庄子)

蝸牛角上の争い

かぎゅうかくじょうのあらそい。

君子之交淡若水,小人之交甘若醴。(庄子)

君子の交わりは淡きこと水の若し、小人の交わりは甘きこと醴の若し。

くんしのまじわりはあわきことみずのごとし、しょうじんのまじわりはあまきことれいのごとし。

寿则多辱。(庄子)

寿ければ則ち辱多し。

いのちながければすなわちはじおおし。

陷之死地而后生。(孙子)

これを死地に陥れて然る後に生く

これをしちにおとしいれてしかるのちにいく。

百战百胜非善之善也。(孙子)

百戦百勝は善の善なるものに非ず

ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず

爱而知其恶,憎而知其善。(礼记)

愛して而も其の悪を知り、憎んで而も其の善を知る。

あいしてしかもそのあくをしり、にくんでしかもそのぜんをしる。

远水不救近火也。(韩非子)

遠水は近火を救わず。

えんすいはきんかをすくわず。

巧诈不如拙诚。(韩非子)

巧詐は拙誠に如かず。

こうさはせつせいにしかず。

君子欲讷于言而敏于行。(论语)

君子は言に訥にして、行ないに敏ならんことを欲す。

くんしはげんにとつにして、おこないにびんならんことをほっす。

己所不欲,勿施予人。(论语)

己の欲せざる所は人に施すなかれ。

おのれのほっせざるところはひとにほどこすなかれ。

己欲立而立人,己欲达而达人。(论语)

己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す。

おのれたたんとほっしてひとをたて、おのれたつせんとほっしてひとをたっす。

小不忍则乱大谋(论语)

小忍ばざれば則ち大謀を乱る。

しょうしのばざればすなわちたいぼうをみだる。

君子和而不同,小人同而不和。(论语)

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。

くんしはわしてどうぜず、しょうじんはどうじてわせず。

三人行,必有我师焉。(论语)

三人行けば、必ず我が師あり。

さんにんゆけば、かならずわがしあり。

养心莫善于寡欲。(孟子)

心を養うは寡欲より善きはなし。

こころをやしなうはかよくよりよきはなし。

缘木而求鱼。(孟子)

木に縁りて魚を求む。

きによりてうおをもとむ。

不知其子,视其友。(荀子)

其の子を知らざれば、其の友を視よ。

そのこをしらざれば、そのともをみよ。

径路窄处,留一步与人行。(菜根谭)

径路の窄き処は、一歩を留めて人の行くに与えよ。

けいろのせまきところは、いっぽをとどめてひとのゆくにあたえよ。

不责人小过,不发人阴私,不念人旧恶。(菜根谭)

人の小過を責めず、人の陰私を発かず、人の旧悪を念わず。

ひとのしょうかをせめず、ひとのいんしをあばかず、ひとのきゅうあくをおもわず。

伏久者飞必高。(菜根谭)

伏すこと久しきは、飛ぶこと必ず高し。

ふすことひさしきは、とぶことかならずたかし。

智愚无他,在读书与不读书。(呻吟语)

智愚は他なし、書を読むと読まざるとに在り。

ちぐはたなし、しょをよむとよまざるとにあり。

责人要含蓄。(呻吟语)

人を責むるには含蓄せんことを要す。

ひとをせむるにはがんちくせんことをようす。

处小人,在不远不近之间。(呻吟语)

小人を処するは、遠ざけず近づけざるの間に在り。

しょうじんをしょするは、とおざけずちかづけざるのかんにあり。

福莫大于无祸,祸莫大于求福。(呻吟语)

福は禍なきより大なるはなし、禍は福を求むるより大なるはなし。

さいわいはわざわいなきよりだいなるはなし、わざわいはさいわいをもとむるよりだいなるはなし。

行百里者半九十。(战国策)

百里を行く者は九十を半ばとす。

ひゃくりをいくものはきゅうじゅうをなかばとす。

三人言而成虎。(战国策)

三人言いて虎を成す。

さんにんいいてとらをなす。

前事之不忘,后事之师。(战国策)

前事忘れざるは、後事の師。

ぜんじわすれざるは、こうじのし。

宁为鸡口,无为牛后。(战国策)

寧ろ鶏口と為るも、牛後と為るなかれ。

むしろけいこうとなるも、ぎゅうごとなるなかれ。

以管窥天。(史记)

管を以って天を窺う。

くだをもっててんをうかがう。

君子交绝不出恶声。(史记)

君子は交わり絶つも悪声を出ださず。

くんしはまじわりたつもあくせいをいださず。

治世以大德,不以小惠。(三国志)

治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず。

ちせいはたいとくをもってし、しょうけいをもってせず。

喜怒不形于色。(三国志)

喜怒を色に形さず。

きどをいろにあらわさず。

贵其所长,忘其所短。(三国志)

その長ずる所を貴び、その短なる所を忘る。

そのちょうずるところをたっとび、そのたんなるところをわする。

尽信书,则不如无书。(孟子)

尽く書を信ずれば則ち書なきに如かず。

ことごとくしょをしんずればすなわちしょなきにしかず。

学然后知不足 教然后之困。(礼记)

学びて然る後に足らざるを知り、教えて然る後に困しむを知る。

まなびてしかるあとにたらざるをしり、おしえてしかるあとにくるしむをしる。

祸莫大于不知足。(老子)

禍は足るを知らざるよりも大なるはなし。

わざわいはたるをしらざるよりもだいなるはなし。

温故知新。(论语)

故きを温ねて新しきを知る。

ふるきをたずねてあたらしきをしる。

人之患,蔽於一曲,而暗於大理。(荀子)

人の患は一曲に蔽われて大理に闇きにあり。

ひとのうれいはいっきょくにおおわれてだいりにくらきにあり。

敏而好学,不耻下问。(论语)

敏にして学を好み、下問を恥じず。

びんにしてがくをこのみ、かもんをはじず。

智者千虑必有一失,愚者千虑必有一得。(史记)

智者も千慮に必ず一失あり、愚者も千慮に必ず一得あり。

ちしゃもせんりょにかならずいっしつあり、ぐしゃもせんりょにかならずいっとくあり。

他山之石可以攻玉。(诗经)

他山の石、以って玉を攻くべし。

たざんのいし、もってぎょくをみがくべし。

过犹不及。(论语)

過ぎたるはなお及ばざるがごとし。

すぎたるはなおおよばざるがごとし。

有欲则无刚。(近思录)

欲あれば則ち剛なし。

よくあればすなわちごうなし。

挫其锐,解其分,和其光,同其尘。(老子)

其の鋭を挫き、其の紛を解き、其の光を和げ、其の塵に同じうす。

そのえいをくじき、そのふんをとき、そのひかりをやわらげ、そのちりにおなじうす。

学而不思则罔,思而不学则殆。(论语)

学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆うし。

まなびておもわざればすなわちくらし、おもいてまなばざればすなわちあやうし。

不学便老而衰。(近思录)

学ばざれば便ち老いて衰う。

まなばざればすなわちおいておとろう。

不敢为天下先。(老子)

敢えて天下の先たらず。

あえててんかのせんたらず。

天网恢恢,疏而不失。(老子)

天網恢恢、疎にして失わず。

てんもうかいかい、そにしてうしなわず。

直木先伐,甘井先竭。(庄子)

直木は先ず伐られ、甘井は先ず竭く。

ちょくぼくはまずきられ、かんせいはまずつく。

以利合者,迫穷祸患害相弃也,以天属者,迫穷祸患害相收也。(庄子)

利を以って合する者は、窮禍患害に迫られて相棄つ、天を以って属する者は、窮禍患害に迫られて相収む。

りをもってがっするものは、きゅうかかんがいにせまられてあいすつ、てんをもってぞくするものは、きゅうかかんがいにせまられてあいおさむ。

君之所读者,古人之糟魄已。(庄子)

君の読む所のものは古人の糟粕のみ。

きみのよむところのものはこじんのそうはくのみ。

知己知彼,百战不殆。(孙子)

彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず。

かれをしりおのれをしれば、ひゃくせんしてあやうからず。

兵形像水。(孙子)

兵の形は水に象る。

へいのかたちはみずにかたどる。

以佚待劳,以饱待饥。(孙子)

佚を以って労を待ち、飽を以って饑を待つ。

いつをもってろうをまち、ほうをもってきをまつ。

水至清则无鱼,人至察则无徒。(礼记)

水清ければ魚棲まず、人至りて賢ければ友なし。

みずきよければうおすまず、ひといたってかしこければともなし。

※参考资料:
守屋 洋『中国古典「一日一話」―世界が学んだ人生の参考書』2004 [4837920675]

BACK TO TOP